【Web担ノート◆農業見習い一年生】〈生き物とのふれあい、生き物とのたたかい〉

いつも吉川農園blogをご愛読いただきありがとうございます。Web担ノート二回目は、自然豊かなこの地、鹿児島県曽於市で出会った生き物たちのことについて書いていきたいと思います。

 

東京と鹿児島との大きな違いのひとつに、「生き物の数」「人間と生き物との距離の近さ」があります。鳥から、虫から、小動物から、鹿児島での暮らしにおいてはとにかくありとあらゆる生き物が身近に、かつ大量にいて、すぐにふれあうことができます(時には彼らとたたかわなければならない場合も多いですが)。犬を飼っている人も多いです、吉川農園でも「うらら」を養っています。

 

生き物との距離が近い、そのことは、今年の三月に東京から鹿児島にやってきてすぐに実感しました。家の近くの山道やあぜ道を歩いていると、とにかく空気が風と鳥の鳴き声で満たされているのです。

これは、ものすごく新鮮な体験でした。僕は趣味で音楽をやっているのですが、「ああ、これほど自然に歌が充ちていれば、人間がわざわざこの場所に人工の歌を持ち込む必要はまったくないな」とさえ思いました。事実それほどまでに、鳥やカエルやセミやコオロギの鳴き声が、どこにいても自然に耳に入ってくるのです。

 

ホーホケキョと鳴くのはウグイス、デデッポーはキジバト、それくらいは今までも知っていましたが、ピルルルルーと鳴くのはアカショウビン、チョットコイと鳴くのはコジュケイという鳥だなどというのは、こちらへ来て初めて得た知識です。それまでは鳥の鳴き声に興味を持ったことなどありませんでしたが、色とりどりの声で鳴く鳥たちのことが気になってきて、YouTubeでたくさん調べてしまいました。

 

また、和歌の授業で習った「てっぺん欠けたか」というホトトギスの鳴き声のききなしが、本当にそのとおりに聞こえるのにも感動しました。夜中の三時くらいにいきなり鳴き始めるのには閉口しましたが……まぁ、それも求愛行動と聞けば納得できます(ホトトギスよろしく人間も夜中の三時くらいに求愛行動をする人が多いかどうかはいざ知らず)。

 

虫が多いのにも驚かされます。ちょっとでも生ものを置いておけばたちまちハエが沸きますし、花にはチョウやハチが渡り、軒先にはクモが立派に居を構えます。

アシダカグモというCDほどの大きさにもなる巨大なクモを家の中で見かけたとき、最初は気味が悪くて驚いていたのですが、ほとんど毎日のように遭遇するために、最近ではすっかり親近感がわくようになってしまいました。この種類のクモはゴキブリを退治してくれるらしく、人間に悪さを働くこともないそうです(暗闇で出会ったときは、さすがにびくっとしますが)。

Moth01

Moth02

上の写真は、農園の事務所の近くで見つけた大きな蛾です。詳しい種類はわかりません。

ホースで水を撒いていたときうっかり羽を濡らしてしまったので、手でそっとつかまえて建物の中で羽を乾かしてもらうことにしました。小鳥のような大きさですがおとなしく、また、写真ではわかりにくいかもしれませんが、とてもつぶらな瞳をしていました。

今までは蛾というとただ気持ちの悪いイメージしかありませんでしたが、このとき会った蛾は映画の怪獣「モスラ」にも似て、不気味な中にもかわいさや美しさを感じました。やがて羽を乾かし終えると、彼は音もなくどこかに飛び立っていきました。

Flog

 

梅雨時にふさわしい生き物もいます。農園の敷地内には道路に面して自動販売機があるのですが、そこにはときどきアマガエルが張り付いています。コカコーラのイメージカラーである赤にきらきら光る雨粒、そしてみごとに映えるアマガエルの背中の鮮やかな緑色。思わず息を呑みながらシャッターを切ったのも束の間、人の気配を察知したのか、ぴょんぴょんと跳んでいってしまいました……僕はそれを哀しく見送るだけでした。

 

話はかわって、僕はいま農園から直線距離で5キロほど離れた祖父母の家に間借りしており、そこの米作りを手伝ったりもしているのですが、この前初めて田植えの手伝いをしていたときに、衝撃的な体験をしました。

足をヒルに喰われた(吸血された)のです。それも、数カ所も。祖父母は経験もあり、ストッキングや田植え足袋でガードしていたのですが、僕だけは裸足だったので、みごとにターゲットになってしまいました。田んぼの中にうねうね動く妙なものが見えたので、なんとなく嫌な予感はしていたのですが……。

 

青い筋の入った大きななめくじのようなヒル〈チスイビル〉が素足にまとわりついてくる感触は、本当に悪い夢のようでした。あわてて指でこそげ落とそうとしますが、しっかり咬みついているのでなかなか取れません。やっと石をすりつけて落としたときには、足が血まみれになっていました。でも、それほど痛くはないのです、ただ痒くて力が抜けるような、妙な心持ちです。そして、血はしばらくのあいだ止まらず、気持ち悪さで寒気がしました。

樋で山から引いている清水で傷口を洗い流し、もう一度田んぼに入って田植え作業の続きをするには、少しばかりの勇気と開き直りが必要だったことはいうまでもありません。なんとか、その日のうちに田植えは終わりほっと一息つきましたが、噛まれたところは相当にかゆく、足首には黒い痕が残りました。

 

もっとも、憎いヒルに血を吸われるのも、間違いなく他にない貴重な体験ではあります。また、人間は田から米という恵みをもらっているのですから、そこに住まう彼らに血を取られるのも、ある意味物々交換だから仕方がないことかもしれないなぁ……、そんなことを考えながら、「だいやめ」の芋焼酎を乾かしつつ、さんざん咬まれたことを祖父に言うと、「なあに、ヒルはかえって悪い血を吸い出してくれるのよ」と笑っていました。

咬まれたのがマムシでなかっただけ、まだよかったのかもしれません。


【Web担ノート◆農業見習い一年生】〈生き物とのふれあい、生き物とのたたかい〉」への5件のフィードバック

  1. らくがきライブの者です(*^^*)
    強制終了なっちゃいました;
    さつまいもめっちゃ美味しそう!!

  2. >なつき様
    こんにちは!
    農園のホームページ本当に見てくださって、ありがとうございます、うれしいです(´∀`)笑
    さつまいもも、これから売り出すさといもやすいかも、ぜひこの味を一度食べていただきたいです。
    焼き芋「わたしのお芋さま」、びっくりするほど甘くて美味しいですよ~♪

  3. すいかが出たら絶対買います!!(^^)
    さつまいももその時ついでに
    買ってみようとおもいます!(笑)

  4. >なつき様
    お返事が遅くなってしまいすみませんm(_ _)m
    ありがとうございます、ぜひお願いします!
    そのすいかですが、まだ成長中なのでもう少しお待ちください(>_<;)
    出荷情報など、また随時ホームページでアナウンスしていきます♪

  5. 吉川農園:【Web担ノート◆農業見習い一年生】〈生き物とのふれあい、生き物とのたたかい〉

    「わたしのお芋さま」好評の吉川農園のブログ、農園主・吉川さんの記事も面白いが、web制作を担当した農業見習い一年生の記事もなかなか。都会暮らしをしていた若者が、農村でどの …

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